最初の堀切の中から見える菩提山山頂部の本丸は実に雄大である。
本丸は十分な広さを有し、城壁となる山頂の斜面は垂直に切り立っている。
それを見ただけでも、寄せ手の軍勢は攻めることをためらうことであろう。
近年、山の木が切られて整備され、遺構が大変に見やすく、良好な状態で残されていることが分かる。
この城の特徴は、細かく考え抜かれた縄張り、そして、城の曲輪はどれも一つ一つが規模が大きく、それぞれの曲輪に大軍を収容することができるということである。
城は大部隊の布陣を前提として築かれているのである。
山頂の本丸は初めは一つの大きな曲輪であったと思われるが、中央に浅い堀が入れられて二つに分離されたようだ。
そこでは、奥が本丸、手前が二の丸ということになろう。
なぜ、山頂の長大な曲輪を分割したかというと、本丸を特別な空間にする必要があったからであろう。
それは、本丸の虎口にわざわざ設けられた小さな角馬出が何よりそのことを表している。

(菩提山城本丸)