電車に乗ると、つい優先席を避けてしまう。
十分優先席に座れる年齢になったのだが、まだ、若いつもりなのだろうか。
それにしては、足腰が弱って来た感があり、年齢は決して嘘をつかない。
一昨年、先祖の三池氏の足跡を追って福岡まで旅をした。
三池氏は鎌倉の御家人であったが、九州三池郡の地頭であった関係でモンゴル襲来に伴って九州に赴き、その後土着したようだ。
戦国時代は大友宗麟の下で生き延び、その後、秀吉の命で立花宗茂の与力となって朝鮮出兵や関ヶ原大津城攻めにも参戦している。
考えてみれば、モンゴル襲来、関ヶ原についてなぜか関心が高く、本まで著したのは、そんな先祖の血のせいかもしれない。
大友氏のもとで数々の戦いに駆り出され、朝鮮出兵でも艱難辛苦を舐め、随分と多くの三池姓の武士が命を落としている。
大友氏の古文書には戦死した三池姓がたくさん出て来るが、一族郎党が生き延びるためにどれほどの犠牲があったのだろう。
先祖は江戸時代になると武士を捨て、領地の村の庄屋となって明治を迎えている。
武士に嫌気がさしたのか、領民と共に生きる道を選んだのか。
そんな先祖になぜか親近感をおぼえる。
先祖の血
