外国人宣教師の見た日本の戦国時代㉗

一方のスペインもコロンブスの探検航海を機に、海外植民地獲得に乗り出していた。
この動きにポルトガルは自国の支配領域に強い排他性を主張するために「ローマ教皇勅書」を利用した。
中世のローマ教皇は、至高の権威としてヨーロッパ世界に君臨していた。
その権威は当時も絶大な威力を有していた。
ポルトガルがアフリカやインド以東に植民地を獲得して勢力を拡大するにあたって、ローマ教皇の発布する勅書は極めて重要な役割を果たした。
「ローマ教皇勅書」は当時の国際法ともいうべき、受け止められ方をしていた。
そこでは、ポルトガルは海外への武力を伴った進出を正当化するために、カトリック世界の頂点に位置する教皇の権威と精神的支援を必要とし、教皇庁としても、カトリックの教勢を拡大し伸長させるためにも、ポルトガル国王の協力が必要であり、両者は利害を共有していた。
「ローマ教皇勅書」では、アフリカからインドまでの征服、領有、貿易の独占を認め、他国民がポルトガル国王の許可を得ずに、それらの領域に航海することを禁止する、それらの領域の原住民を奴隷にすることを認める、ポルトガル国王に新発見地への布教を奨励するなどの特権が認められていた。

タイトルとURLをコピーしました