多賀大社は西明寺のある甲良町からさらに東に三キロほどいった多賀町にある滋賀県随一の神社で「伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)と「伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)」を祭神としている。
ここに向かったのは、『彦根市史』の中で多賀大社に伝わる「社頭古絵図」という絵図に佐和山城の天守が描かれているという記事を読んだからである。
『彦根市史』によれば、この絵図は慶長十三年(一六〇八)の奥書があるという。彦根城の築城は慶長八年(一六〇三)から元和八年(一六二二)までかかっていることから、この絵図にはもしかしたら、破壊前の佐和山城を描かれている可能性がある。
私は、多賀大社に行くと社務所に行き、そこで「社頭古絵図」を見せてもらうようにお願いした。
だが、絵図は神社の大事な宝物だということで「一般公開はしていない」とむげに断られた。
しかし、ここで引き下がるわけにはいかなかった。何としても絵図が見たかった。
正直いって、次はこの多賀大社にいつ来られるか分らない。筆者はわざわざ絵図を見るために東京から車を飛ばしてやってきたのだ。
多賀大社「社頭古絵図」
