熊が出没していた関ヶ原

もう十年以上は前になるが、私が初めて関ヶ原へ行ったとき、関ヶ原は熊の出没が相次ぎ、常に警報が鳴っていた。
自転車に乗っている地元の人は皆鈴をつけ、音を出しながら走っていた。
私は、そのとき、宇喜多秀家の陣がなかなか見つからず、道路の端に車を止めて徒歩で歩き回っていたのだが、案の定、熊出没のサイレンがなり、避難するよう呼びかけるパトカーが巡回を行っていた。
私は諦めて車に帰ろうかと思ったが、次はいつ来れるかわからないので、サイレンの中、探索を続け、一時間近くかかってやっと宇喜多の陣を見つけた。
陣の入り口には土塁も残っており、そこには、大きな木戸でも設けられていたのであろう。
これだけ確認すると、急ぎ、車に戻り、何とか事なきを得た。
ただ、急いでいたのでそのとき、陣の大きさ、範囲までは確認できなかった。
その場所を「関ヶ原合戦図屏風」で確認するとそこに描かれた地形は今もそのまま残っており、少し感動した。
しかし、「関ヶ原合戦図屏風」には何かが抜けている、いや、故意に描かれていないものがある。
それは後に何回も関ヶ原を何度も探査するに及んで増々確信するようになった。
それから何度目かに石田三成の陣、笹尾山を訪れたとき、山の裏側でまだ目新しい熊の糞らしきものを見つけ、ただただ一目散に山を駆け下りた。
関ヶ原は熊への注意が必要だ。

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