障子堀の感覚

もう、何十年も前の古い話だが、夏の休暇中涼しい日を選んで東京青梅市の勝沼城に行ったことがある。
本当は、夏は草も生え地面がよく見えないし、蚊などの虫も多く、城歩きには適さない。
それでもはやる心を抑えきれずに行ったのだが、縄張図などを持っていかなかったため、適当に歩いているうちお寺の墓地に中に入り込んでしまい、あせっているうちにストンと空堀の中に落ちてしまった。
空堀はそんなに深くはなかったのだが、堀底に何か違和感を感じた。
堀底を歩いてみるとどこも平らではなく、一定間隔で微妙に盛り上がっている。
勝沼城はもともと三田氏の城であったものを北条氏が改修したといわれており、枡形虎口や馬出などにその特徴がみられる。
私はとっさにもしかしたらこれは北条氏の「障子堀」の遺構ではないかと思ったが、それだけで終わってしまった。
今でもあの堀は残っているのか、それとも墓地の造成で埋められてしまったものか、今も気になっている。

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