彦根城石垣の石の調達

『彦根市史』によれば、彦根城は周辺の敏満寺、布施寺などの古寺跡からも石を調達したとあり、また、「其の外、石仏塔堂柱木ともに皆御城石垣のうら詰になされた」(『淡海古説』)とあることから、石の調達は古城だけに及ばず、古城はもちろんのこと、周辺の古寺跡からも広く石の調達がなされたのであろう。
彦根城には石垣をどこからか切り出したという記録伝承などはなく、彦根城の石垣の石にはそれら工事を受けもたされた大名たちの刻印符号も見当たらない(海津栄太郎『彦根城』)という点も含めて、やはり、石はどこからか切り出したのではなく、古城、古寺等から転用した可能性は高いものと思われる。
また、彦根城には、大津城や長浜城からの移築の伝承はあるが、佐和山城からの移築に関しては伝承がほとんどない。
これも考えてみれば、不思議なことである。

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