ポスト秀吉⑨

一方で、漂流船は、多くの武器・弾薬を積載していたことから、イエズス会の言うような海賊船との疑いも捨てきれなかった。
ただ、家康はポルトガルとオランダ・イギリスが戦争中であることを知っており、イエズス会がオランダやイギリスを海賊呼ばわりしている可能性もあるとの疑惑をもっていた。
その疑問を払拭するためにも、家康は自らが船の乗組員に直接尋問する必要性を感じていた
家康は「リーフデ号」乗組員のウイリアム・アダムスとヤン・ヨーステンを大坂城に呼び、尋問した。
家康は外国人である二人に好意的な態度であったという。
二人は「貿易を通じてアジアのすべての君主と友好関係を築くことを望んでいる、日本にはない品物をイギリスからもたらし、イギリスにはないものを日本で購入したい」とも述べたという。
ポルトガル以外にも対外貿易を望んでいた家康にとってこれは望ましい回答であった。
さらに、家康は二人に「貴国は戦争をしているのか」と尋ねた。
家康は「リーフデ号」の武装の意味を知りたかったのである。
アダムスは正直に「スペイン、ポルトガルとは戦争をしているが、他のすべての国々とは平和に付き合っている」と答えた。
さらに、家康はアダムスの信仰について質問し、彼らがポルトガル人とどう異なるかを見極めようとした。
キリスト教問題である。
この尋問は深夜にまで及んだというから家康の関心の高さを見ることができる。

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