宣教師の見た秀吉①

「彼は身長が低く、また醜悪な容貌の持ち主で、片手には六本の指があった。眼が飛び出ており、シナ人のように鬚が少なかった。男児にも女児にも恵まれず、抜け目なき策略家であった。彼は自らの権力、領地、財産が順調に増していくにつれ、それとは比べ物にならぬほど多くの悪癖と意地悪さを加えていった。家臣のみならず外部の者に対しても極度に傲慢で、嫌われ者であり、彼に対して憎悪の念を抱かぬ者とてはないほどであった」
宣教師ルイス・フロイスは秀吉をそう描写する。
秀吉は後に「伴天連追放令」を出し、キリスト教の布教に弾圧を加える人物であることから、宣教師たちにとって好ましい人物ではなかったことは容易に想像できる。
だが、それを差し引いても、この描写はかなり、秀吉の等身大に近いのではなかろうか。
さらに、フロイスは「関白は極度に淫蕩で、悪徳に汚れ、獣欲に耽溺しており、二百名以上の女を宮殿の奥深くに囲っていたが、さらに都と堺の市民と役人たちの未婚の娘及び未亡人をすべて連行してくるように命じた」と秀吉の女性関係の乱れをこう述べる。
キリスト教にとって邪淫は許されない罪であったことから、ここの描写も手厳しい。

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