外国人宣教師の見た日本の戦国時代㉑

ザビエルの手紙
シナは日本の向かいにある平和そのものの大帝国である。
知的な能力からいえば、シナ人は日本人より優れている。
シナは何でも豊富な国で、人口の多い都市がたくさんあり、家々は石の屋根で飾られていて、とても洗練された感じがする。
そこには、ユダヤ人やマホメット教徒がいることはうすうす気づいたが、キリスト教徒がいる形跡はない。
私は今年、1552年中にそこに出かけて皇帝から入国の許可を直接もらって来たいと思う。
シナは福音の種が一たびまかれれば、そのままどこまでも広がっていくような国である。
もし、シナ人がキリスト教を受け入れれば、日本人はこれまでシナ人から教わった様々な教義を捨てるようになるであろう。
日本人はキリスト教に帰依した以上いつまでたっても迷わずにその聖性を掲げる唯一の国民である。
シナ人がイエス・キリストに帰依したことが分かり次第、日本人は間違った教派に無理やりしがみついていることが少なくなるであろう。
日本へ派遣する者は慎重に選ばなければなりません。
老人は体力がないので不適当ですし、若人は経験が足りないので不適当である。
この地域へ来て、霊魂の救いのために尽力する神父たちは、二つの素質を備えていなければなりません。
一つは疲労に慣れること。
この素質があれば他人のためにも、自分のためにも役立ちます。
もう一つは説教するだけの教養があり、告解を聞き、日本人とシナ人の僧の無数の質問に対して効果的に応答することです。
ヨーロッパで役に立たない司祭はここでも役に立ちません。

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