滝山城築城500年記念講演会より 8

千畳敷のもてなし
千畳敷の面積を考えれば、そこには、大きな庭園などはなかったように思われます。
(中田正光氏作図滝山城千畳敷)
しかし、この千畳敷には北西に谷間に下りるための小さな虎口があることが分かります。
しかも、それは枡形虎口であったようです。
この虎口は何のためのものだったのでしょうか。
千畳敷から谷間にかけて二段の曲輪が続き、そこを下ると谷間の窪地に出ます。
近年、「滝山城を守る会」の皆様の整備のおかげで、そこに弁天島の跡が出てきました。
そこから、この谷間の窪地は池だったことが分かったのです。
池の水は湧水で、かつて谷はせき止められ、窪地には水が蓄えられ池になっていたのでした。
実はこの谷間には今も湧水が湧き出ていますが、谷をせき止める土塁が切られてしまったため、水が貯まらなくなり、池の様相を呈しなくなったのです。
そう考えると、千畳敷北西の虎口はまさにこの天空の池に下りるためのものだったことが分かりますす。

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