宣教師の見た秀吉⑬

キリスト教の信者が増加し、さらには有馬晴信、大村純忠、大友宗麟、小西行長、高山右近、黒田官兵衛らの有力な大名たちが入信するに及んで、イエズス会宣教師、そしてその背後にいるポルトガルは日本の植民地化、そのための日本に対する武力行使を主張するようになっていた。
彼らの構想はキリシタン大名と結託して日本に足掛かりとなる基地を作り、自国の軍隊を駐留させ、やがて基地を拡大していくという計画であったという。
しかし、日本にいる宣教師たちは世界一の数の鉄砲を保有し、軍事大国となった日本より、中国を征服することの方が、容易でより大きな富を得られると考えていた。
そして、中国征服のために日本の基地は有効に役立つと考えていた。
日本に三度来日した巡察使ヴァリニャーノはフィリピン総督に宛てた書簡で「国王陛下の征服事業のために、今や門戸は大きく開かれており、最大のものの一つは、総督閣下のすぐ近くのシナを征服することである」と書いているが、それはまさに日本を中国を征服するための基地とする構想をもっていたことを示している。。

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