関ケ原合戦直前の家康③

二人は「貿易を通じてアジアのすべての君主と友好関係を築くことを望んでいる、日本にはない品物をイギリスからもたらし、イギリスにはないものを日本で購入したい」と述べたが、それは、ポルトガル以外にも対外貿易を望んでいた家康にとって満足のいく回答であった。
さらに、家康は二人に「貴国は戦争をしているのか」と尋ねた。
家康は「リーフデ号」の武装の意味を知りたかったのである。
アダムスは正直に「スペイン、ポルトガルとは戦争をしているが、他のすべての国々とは平和に付き合っている」と答えた。
さらに、家康はアダムスの信仰について質問し、彼らが布教を全面に出しての貿易を推進してきたポルトガル人とどう異なるかを見極めようとした。
この尋問は深夜にまで及んだ。
二日目、家康はイギリスとスペイン・ポルトガルとの戦争について質問を繰り返し、その戦争の原因についても執拗に問い質した。
ここでは家康は「リーフデ号」が海賊船であるかどうかということより、日本の防衛、つまり、日本が彼らの国際戦争に巻き込まれる可能性がないかどうかを探ったのである。
これにより、家康は宣教師の布教活動とスペイン・ポルトガルの帝国主義が一体となって繰り広げられているという事実を確認することが出来た。

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