外国人宣教師の見た日本の戦国時代54

こうして、15世紀半ばから末にかけての約40年の間に、地球上に存在する非キリスト教世界はポルトガルとスペインによる征服と支配、そしてキリスト教の布教対象地に規定されてしまった。
これは、イエズス会が成立するずっと以前の話であり、ここにイエズス会が活躍する舞台が用意されていた。
イエズス会は、その流れに乗って東アジアへの布教を行っていったのである。
そこでは、リスボンからインドまでの航海に必要な船団を自ら組織する手間もなく、それに加えて布教保護権の制度により、ポルトガル国王からの経済的援助も保証されていた。
また、インド以外の日本や中国なども、トルデシーリャス条約によって、ポルトガルの領有と規定され、それらの地域には布教保護権が適用され、法的にも物質的にも制約されることなく、布教という使命を果たすことができた。
スペイン、ポルトガル両国による異教世界二分割征服論は、あくまで両国が取り決めたものであり、そこには他の世界から見た法的根拠も正当性もなかった。
そこで、両国はそこに「霊魂の救済」という論理を持ち込み、侵略行為を正当化せざるを得なかった。
それを目に見える形で現したのがイエズス会らのインド派遣であった。

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