『天秀尼の生涯 豊臣家最後の姫』出版のお知らせ

3月4日に『天秀尼の生涯 豊臣家最後の姫』(潮出版社)を出版します。
この本は2013年に洋泉社から出した『豊臣家最後の姫』リニューアル版で、新たな知見や資料の精査から判明したことなどを書き加えました。
ただ、それでも天秀尼に関する資料は少ないので、どうしても、天秀尼自身についての記述は少なくなります。
天秀尼のことを最初から最後まで書くには、小説にするしかないと思います。
実は、私はこの本の小説版を書いており、それは初めから終わりまで天秀尼のことを書いています。
残念ながら、私にはこれまで小説の実績がないので、お蔵入りになっておりますが、機会をいただければ是非出版したいと思っています。
豊臣秀頼の娘として生まれた天秀尼は、家康によって尼にされてしまいますが、秀頼のかつての妻千姫が養女にしてくれたおかげで、鎌倉の名刹東慶寺二十代住職となり、やがて虐げられた女性の人権を守るため命をかけて戦います。
天秀尼が確立した寺法は江戸時代を通じて幕府権力の及ばないものとされ、宿命に泣く数多の女性を救出します。
それは当時の女性にとって唯一の希望でもありました。
4月30日(日)天秀尼ゆかりの北鎌倉東慶寺において出版記念講演会を行う予定です。
また、それにともなって東慶寺では天秀尼ゆかりの品々や宝物を展示する「天秀尼展」を開催されると聞いております。
天秀尼の書いた和歌の短冊(見事な筆致で私はあまりの感動にしばらく見入ってしまいました)や父秀頼の供養に鋳造した雲版、天秀尼が持参したとされる漆器、千姫からの書状など見所満載です。
是非一度お出かけ下さい。
天秀尼は日本の女性史においてもっと取り上げてしかるべき人物だと思います。
私の本がその一助となれば、こんなにうれしいことはありません。

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